カーナープロダクトマンスリーコラム

価格攻勢とは?競合の値下げに対抗する営業の戦い方

70948346「他社さんは、もっと安い金額を出してきていますよ」

商談の終盤で、顧客からこう切り出された経験のある方は少なくないはずです。競合が価格攻勢を仕掛けてきた場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。

価格攻勢とは何か

価格攻勢とは、競合企業が大幅な値下げや、相場より明らかに安い見積もりを出して、顧客を奪いにくることを指します。市場に新しく参入した企業や、シェアを急いで広げたい企業が、こうした手を打ってくることがあります。

ここで慌てて同じだけ値下げをすれば、その場の受注は守れるかもしれません。しかし、一方が下げればもう一方も下げるという応酬が始まると、値下げ合戦になり、最後は双方が利益を失います。新しい顧客にだけ大きく値引きすれば、これまで通常の価格で買ってくださっていた顧客の信頼も損ないます。安易に追随することは、長い期間かけて培ってきた企業価値を損なうことになるでしょう。

最初に、自社のポジションを認識する

対抗策を考える前に、まず自社のポジションを認識する必要があります。顧客から見た、企業価値、商品価値、関係性を把握すべきです。

会社としての信頼や実績は、どう見られているか。商品そのものは、競合と比べてどう評価されているか。担当者との関係は、どれほど深いか。このどれかで競合を上回っていれば、価格以外の理由で選ばれる余地があります。どれにも差がなければ、価格攻勢の影響をまともに受けることになります。その場合は、値下げを考える前に、差をつけられる点を探すことが先です。

強者には強者の、弱者には弱者の戦い方があります。業界で上位にいて、顧客から「安心して任せられる」と思われている会社であれば、実績や信頼を前に出し、値段の比べ合いには加わらないのが基本です。一方、そうした立場にない会社は、得意な業界や地域、顧客層に的を絞り、「この分野なら、この会社」と思ってもらえる強みをつくることから始めます。

価格差には、説明できる根拠を用意する

競合他社と、自社の商品、サービスの比較を徹底的に行い、どのようなポジションでアプローチすれば良いのかを把握する必要があります。

そのうえで重要になるのが、提示価格の設定です。競合と自社の現状の価格差を算出し、価格差を説明し、裏付ける根拠を作成しなければなりません。導入後の支援の手厚さ、納期の確かさ、トラブルが起きたときの対応の速さ、長く使ったときの総費用。顧客が見比べているのは見積書の金額ですが、実際に負担するのはそれだけではありません。

説明できない価格差は、信用を失う結果になりかねません。

値下げにも根拠が必要

更に値下げにも根拠が必要です。顧客の言葉に反応して、過度に値下げするなら、やはり信用を失ってしまうことでしょう。一度「言えば下がる会社」と受け取られると、次の商談でも同じことを求められます。

どうしても価格を調整するのであれば、発注量が増える、契約期間が長くなる、仕様の一部を見直すなど、顧客にも説明できる理由と組み合わせることです。自社の利益や理屈だけではなく顧客の立場に立った価格設定と提示方法が重要なのです。

価格だけで選ぶ顧客ばかりではない

顧客には「2・6・2の法則」が当てはまるといわれています。多少高くても名の通った会社から買いたい顧客が2割、価格とサービスの質を比べて選ぶ顧客が6割、価格だけで選ぶ顧客が2割という考え方です。当社の調査レポート「自社商品に自信を持てない営業(営業1000人調査)」でも取り上げています。

価格攻勢にもっとも左右されるのは、最後の2割です。真ん中の6割は、営業担当者の説明次第で、価格ではなく中身を評価して選んでくれる層です。価格攻勢を受けたときこそ、この6割の顧客に価格差の理由を丁寧に伝えることが、利益を守ることにつながります。

値下げで応じるかどうかは、こうした手を尽くしてから考えても遅くはありません。

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