カーナープロダクトマンスリーコラム

営業の部下育成 ダメ出しより、任せて「一件」を売らせる

「営業が楽しくない」という営業担当者の声を、耳にすることが増えました。理由を尋ねると、仕事の内容や成果よりも、チームの雰囲気や上司との関係が影響している場合が少なくありません。「上司からダメ出しされすぎて、何が正しいのかわからなくなっている」「言っていることはわかるけれど、そこまでやる気になれない」。こうした声です。

悪い点の指摘だけでは、動けなくなる

悪い点を指摘するマネジメントが、いまの営業の仕事に合わなくなっています。決まった商品をそのまま売ればよいという市場は、ほとんど残っていません。お客さまごとに対応を変え、技術的な要素も絡む。営業担当者は、日々迷いながら仕事をしています。

そこへダメ出しが重なると、担当者は自分で考えて試すことをためらうようになります。やがて「やる気」そのものを失い、仕事を辞めたいとまで感じてしまうのです。

売れるようになった「きっかけ」の第1位は、上司・先輩の一言

とはいえ、褒めてばかりでは部下は成長しません。できていないところを克服し、力をつけていく必要があります。では、どうすればよいのでしょうか。

当社がトップセールス1000人に行った調査で、「売れるようになったきっかけ」を尋ねました。最も多かった答えは「上司・先輩の一言とサポート」でした。2番目は「実際に一件売ってみて、初めて気づいたり見えたりしたものがある」です。

回答者が挙げた上司の言葉は、どちらかといえば平凡なものでした。特別な言葉でなくても、迷っているときに上司からかけられた一言が、仕事の見え方を変えています。同じ上司の言葉が、ダメ出しとして積み重なれば意欲を奪い、きっかけとして届けば人を変えるのです。

任せて、「一件」を売る体験をつくる

2番目の答えにも、育成の手がかりがあります。最初の一件は、本人の力だけでは売れません。上司と会社が支えて売らせる一件です。それでも、その一件を自分の手で経験すると、担当者には初めて見えるものがあります。

上司から見れば、まだ十分でない部下に仕事を任せるのは、勇気のいることです。それでも、上司の信頼には部下を動かす力があります。「期待されている」「必要とされている」という実感が、心に火をつけるのです。

任せ方には工夫ができます。商談の一部分だけを担当してもらう。契約が取れた後のお客さまや、あと一歩で決まりそうなお客さまを担当してもらう。できる範囲で役割を渡し、うまくいかなかった点は、次にどうするかを一緒に考える。同じ指摘でも、任せた仕事の振り返りの中で伝えれば、受け取られ方が変わります。

「仕事ができない」と言い続けるより、できる範囲で役割を渡し、自信をつけてもらうほうが、成果に近づくと考えています。叱るだけでは、部下が売れるようになるまでに時間がかかります。部下を一人の担い手として認め、機会を渡し、やりがいを実感してもらう。これが、いまの営業マネジャーに求められている仕事ではないでしょうか。

自社の育成が「育つのを待つ」形になっているのか、「きっかけを設計する」形になっているのかは、チェック項目で確かめられます。上司・マネジメントについての項目と、会社・仕組みについての項目を、社内検討用の資料「トップセールスは、才能ではなく『きっかけ』で生まれる」(無料)に収めました。調査の結果は調査研究レポートでご覧いただけます。

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