なぜ、商品名や商品特性を理解していても、顧客を納得させることができないのでしょうか?
商品知識が、使える知識として整理されておらず、活用を前提として身につけていないからです。商品ラインアップや、スペック、特性などを理解しているだけでは不十分です。顧客視点で商品知識を整理する必要があります。
顧客は、何を、なぜ、知りたいと思っているのでしょうか?どのような形で情報提供すれば、顧客は理解できるでしょうか?顧客が抱く疑念を払しょくする、データや事例は準備できているでしょうか?一般的な商品知識ではなく、顧客との接触において活用できる「使える知識」を身につけるべきです。
売るために必要な商品知識を組織として、個人として整理できなければ、効果的なアプローチは行えません。商品知識が整理されていてこそ、顧客からの評価も得やすくなるのです。
スキルやノウハウを学ぶ前に、徹底的に使える商品知識を身につけましょう。
カタログの知識と使える知識は何が違うのか
顧客から「他社の製品と何が違うのですか」と聞かれたとします。スペックの違いを並べることはできても、それが顧客の業務にとってどういう意味を持つのかを答えられなければ、顧客は判断できません。
処理速度が速いという事実は、「残業が減る」「お客さまを待たせずに済む」という形になって初めて、顧客にとっての価値になります。
カタログの知識は、商品を起点に整理されています。使える知識は、顧客を起点に整理されています。同じ情報でも、顧客の業種や立場、抱えている課題によって、伝える順番も言葉も変わります。商品知識を「覚える」ことと「使える」ことの間には、この翻訳の作業があるのです。
スペックを正確に覚えている営業担当者ほど、この翻訳を省いてしまいがちです。説明は正しくても、顧客の心には届かないのです。
どう整理すればよいのか
手順は難しくありません。
①質問を集める・・・商談の記録や営業担当者の記憶から、顧客が実際に何を聞いてくるのかを洗い出します。②答えを組み立てる・・・それぞれの質問に「結論」「根拠」「顧客にとっての意味」をセットで答えられるようにします。③裏づけを用意する・・・顧客が抱きやすい疑念に対して、示せるデータや導入事例を準備しておきます。
注意すべきなのは、知識の量を増やすこと自体を目的にしないことです。すべてのスペックを暗記しても、顧客の問いに答えられなければ意味がありません。まずは主要な顧客層に絞り、その顧客が知りたいことに確実に答えられる状態をつくるべきです。
また、使える商品知識を個人の頭の中にとどめておけば、その人が異動や退職をしたときに失われます。売れている営業担当者ほど独自の説明の工夫を持っているものですが、共有されなければ組織の力にはなりません。営業会議の一部を使って「今月、顧客から受けた答えにくい質問」を持ち寄るだけでも、知識は組織の中で整理されていきます。新しく配属された営業担当者にとっても、先輩の実践から生まれた知識は、研修資料より身につきやすいものです。
商品に自信が持てないという営業担当者の声を聞くこともあります。当社の自社商品に自信を持てない営業(営業1000人調査)では、自社商品に自信を持って営業している営業担当者は55.8%にとどまりました。自信が持てないまま商談に臨めば、説明にも迷いが出ます。
顧客の質問に、顧客にとっての意味まで含めて答えられる。その手応えを一つずつ積み重ねることで、営業担当者は商品を自分の言葉で語れるようになるのです。





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