
某社の経営者が「人間の能力は差があるといっても5倍程度だが意識は100倍も1000倍も差がある」と語ってくださいました。
確かに、能力の差よりも意識の差が企業の営業力に影響を与えるように感じます。最近の営業現場をみて感じるのですが、上を(トップ)目指そうとする営業マンが急激に減っています。
マネジメントに携わる人たちの中にも、組織営業を確立すれば「個」の力は必要ないとばかりに、人材育成をおろそかにして、モチベーションを「気分」と区別できない人が増えているように思うのです。
営業マンの向上意識は、「負けたくない」「成功したい」「○○さんをこえたい」といったハングリー精神に根ざしていることが多いものです。では「べつにトップセールスにならなくてもそこそこやれればいい」と思っている人が営業で成果を収めることができるでしょうか?
「普通」でいればよいと考えていると、成果は現状を維持できず、下がっていきがちです。これは営業の現場を見れば明らかです。成果を出したい、トップに立ちたいと願うことが、「もう少し電話をしてみよう」「もっと勉強しよう」「売れている人から盗もう」といった積極的な行動へと突き動かすのです。
マネジメントは「トップセールス」を目指すことの価値を示し、適切なインセンティブを与えることで、営業マンに必要な向上心を社内の文化にすることができるのです。
あなたの会社には「No1を目指す」営業マンが何人いますか?
意識の差は行動の差として表れる
同じ日に同じ研修を受けた二人の営業マンがいます。一人は学んだことを翌日の商談で試し、うまくいかなかった点を先輩に相談します。もう一人は「いい話だった」と感じたまま、いつもどおりの仕事に戻ります。能力に大きな差がなくても、半年後の成果には違いが出ているでしょう。
意識の差は目に見えにくいものです。しかし行動に置き換えると、違いははっきりします。一日にかける電話の数、商談の前に準備する時間、断られた後にもう一度顧客を訪ねるかどうか。トップを目指す営業マンは、こうした小さな行動の積み重ねで差をつけていくのです。
当社の売れる営業と売れない営業の差(300社調査)では、売れる営業と売れない営業の成績差は2008年に約14倍まで開いていました。この調査では、売れない原因としてスキルや活動と並んでメンタルが挙げられています。
モチベーションは「気分」ではない
モチベーションを気分と区別できないマネジメントでは、営業マンのやる気が上司の声かけや職場の雰囲気に左右されてしまいます。気分は日によって変わります。向上意識は、本人の中にある目標や欲求に根ざしたものです。
同じ調査では、営業マンのモチベーションを支える要素として「獲得」「成長」「評価」「征服」「責任」の五つを挙げています。どの要素に強く動かされるかは、人によって違います。部下一人ひとりの動機を知っていれば、マネジャーがかける言葉も、任せる仕事も変わってくるはずです。
上を目指す文化はどうつくるのか
一つ目は、目指す姿を具体的に見せることです。トップセールスがどのような行動をしているのかを共有し、真似できる形にして伝えます。二つ目は、成果につながる行動を認めることです。数字が出るまでには時間がかかります。途中の努力が評価されなければ、意識は続きません。三つ目は、上を目指す人が職場で浮かない雰囲気をつくることです。
「そこそこでいい」という空気は、一度広がると変えるのに時間がかかります。まずマネジャー自身が、部下の成長に本気で期待していることを伝えるべきです。No1を目指す営業マンは、そこから一人ずつ増えていくのです。





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