カーナープロダクトマンスリーコラム

ブランドに対するロイヤリティをつくりだす

130901消費者行動理論に基いて考えると、消費者は情報を検討し吟味したうえで購買行動を起こすことになっています。

 

しかし考えてみると「役に立つ」「必要だ」「メリットがある」といった理性的な選択ではなく「かっこいい」「とにかく欲しい」など感情的な選択が行われ、非合理的な消費活動が行われることがあります。消費者はブランドを購入しているのです。

 

ブランドとは「記憶」です。知識や経験だけではなく、背景や感情も同時に記憶され積み重なることで、ブランドが構築されます。消費者の頭の中にあるイメージがブランドなのです。ブランドを構築するためには多大な時間と投資が必要ですが、そのブランドが崩壊するのは一瞬です。企業はブランドに対する顧客のロイヤリティを維持するために努力し続けなければならないのです。

 

ブランドの記憶はどこでつくられるのか?

ブランドが記憶であるならば、その記憶は顧客が企業と接するあらゆる場面で積み上がっていきます。広告や商品のデザインだけではありません。問い合わせをしたときの対応、商品を受け取ったときの印象、困ったときに助けてもらえたかどうか・・・一つひとつの体験が、感情と結びついて顧客の頭の中に残るのです。

同じような性能の商品が二つ並んでいれば、以前に丁寧な対応を受けた会社の商品を選ぶ。理屈では説明しきれないこの選択こそが、ブランドに対するロイヤリティです。消費者が理屈より感情で選ぶとき、その感情を支えているのはこうした記憶なのです。

法人の取引でも同じことが起きます。担当者は稟議書に合理的な理由を並べますが、その前に「この会社なら安心だ」という感覚で候補を絞り込んでいることが少なくありません。その安心感を生んでいるのは、過去の取引や評判を通じて積み重なった記憶です。

そして法人の取引で、顧客が最もよく接するのは営業です。顧客にとって、営業の言動はそのまま会社の姿です。約束した期日を守る、わからないことを曖昧にしない、売った後も顔を出す。こうした当たり前の行動が、会社への信頼として記憶されていきます。

逆もまた同じです。売上を急ぐあまり顧客の事情を考えない提案をしたり、問題が起きたときに連絡が遅れたりすれば、その記憶も積み重なります。一人の営業の振る舞いが、長い時間をかけて築いたブランドを傷つけることもあるのです。ブランドづくりはマーケティング部門だけの仕事ではありません。顧客と向き合う営業の一人ひとりが担い手なのです。

では、ロイヤリティを保つために何を続ければよいのでしょうか?顧客の期待を裏切らないことです。顧客はブランドに対して「この会社ならこうしてくれるだろう」というイメージを持っています。そのイメージと実際の体験がずれたとき、顧客の気持ちは離れていきます。

だからこそ、自社が顧客からどう見られているのかを定期的に確かめる必要があります。取引の長い顧客に率直な感想を聞く、クレームの内容を部門を超えて共有する、といった取り組みがその手がかりになります。営業が日々の商談で耳にする顧客の小さな不満も、貴重な材料です。それを社内に持ち帰り、共有する習慣をつくるべきです。

注意すべきは、ロイヤリティの高い顧客ほど、期待を裏切られたときの失望も大きいということです。長く付き合ってきたからこそ「あの会社がこんな対応をするとは」という思いが強く残ります。付き合いが長くなっても慣れに流されず、初めて取引したときと同じ気持ちで接するべきです。ブランドは、日々の約束を守り続けることでしか強くならないのです。

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