
顧客のホンネを聞き出すにはどうすれば良いのですか?という質問を受けることがあります。私は決まってこのように質問をします。
「顧客のホンネって何ですか?」
そうするとほとんどの人は「えーっと」 「それはですね・・」「考えたことないですね」とはっきり答えることはできません。ホンネが何かを理解していなければ、ホンネを聞き出すことなどできるはずがありません。
ホンネとは「本当に欲しいモノ(求めていること)」と言い換えることができます。状況や立場、年齢によって欲しいものは変わってきます。
会話の中で出てきた答えが「ホンネ」であることはまずありません。「本当に欲しいモノ」は、お金、時間、称賛、権力、出世、安定などなど、そのまま口にしてしまうと誤解を招くことが多いからです。そのために、オブラートに包んで、わざわざわかりにくく表現するのです。
営業マンはそこを見抜かなければなりません。その人が心の中に思っている「欲しいモノ」が何なのか、洞察力を働かせる必要があるのです。何を求めているかがわかれば、交渉を有利にすすめることができるでしょう。一言ひと言に、振り回されるのではなく顧客の本心を見抜いてこそ営業で成功できるのです
その言葉はどこから出てきたのか?
顧客が口にする言葉は、ホンネを包んだものです。たとえば、ある担当者が「コストを下げたい」と話したとします。その奥にあるのは、上司に成果を示して評価されたいという気持ちかもしれません。限られた予算の中で、余計な手間を減らしたいという思いであることもあります。同じ言葉でも、人によって本当に欲しいモノは違うのです。
「導入実績はありますか」という質問も同じです。安心したいのか、社内で説明するための材料が欲しいのか。表向きの言葉だけに応えていては、顧客の心は動きません。その言葉がどこから出てきたのかを考える必要があります。
では、洞察力はどうすれば働くのでしょうか?材料になるのは、顧客の立場や状況についての情報です。その人は社内でどんな役割を担っているのか。誰に評価されるのか。今どんな課題を抱えているのか。こうした情報を集めておけば、言葉の裏にあるものを推し量ることができます。
商談中の反応も手がかりになります。どの話題で身を乗り出したか、どこで言葉を濁したか。話の内容だけでなく反応の変化に目を向けていれば、何に関心があり、何を気にしているのかが見えてきます。
質問の仕方も工夫できます。「なぜそうお考えなのですか」「それが実現すると、どんな良いことがありますか」と、一段深く尋ねるのです。答えを重ねてもらううちに、顧客自身も気づいていなかった「欲しいモノ」が見えてくることがあります。ただし、問い詰めるような聞き方をすれば相手は構えてしまいます。
見抜いたホンネをどう提案に活かすか?
ホンネがわかっても、それをそのまま指摘してはいけません。「本当は評価されたいのですね」と言われて、うれしい人はいないでしょう。顧客がオブラートに包んでいるのには理由があるのです。
営業マンがすべきなのは、ホンネを満たす形で提案を組み立てることです。評価されたい担当者には、上司に説明しやすい資料や成果の見せ方を用意します。手間を減らしたい担当者には、導入後の負担が少ないことを具体的に示します。
同じ会社の中でも、現場の担当者と決裁者とでは欲しいモノが違うことが多いものです。商談に関わる人それぞれのホンネを考えておけば、提案の説得力は増していきます。
顧客が口にしないことを汲み取って応える。それができる営業マンは、顧客から「わかってくれる人」として信頼されるのです。





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