
新入社員が入社して約半年がたとうとしています。顔をこわばらせながら新人研修に参加していた新人営業マンもそろそろ現場でお客さまに接する機会が出てくる時期ではないでしょうか?
同じ日に入社して、同じ営業研修を受け、同じものを売っているのに3年後には全く能力やスキルが違っているということはめずらしくありません。成果主義が導入されている企業では、収入にも大きな差が出ていることでしょう。その違いはどこから来るのでしょうか?
新入社員の研修というと、マナーや商品知識、プレゼンテクニックなどが主に扱われます。そういった教育が、営業マンとしての基礎構築に役立つのは言うまでもありません。しかし、本当に教えるべきなのは「考え方」や「学び方」といった自分で使って役立てることのできる情報ではないでしょうか?魚を与えるより、魚の取り方を教える方が本人のためなのです。
どんな本を読めば、スキルアップに役立つのか?
どんな考え方をすれば、早く一人前になれるのか?
迷った時は、何を基準に考えればよいのか?
この行動には、どんな意味があってなぜ行うのか?
など理由や目的をしっかり教え込むことで、「自分で考えて」「自分で行動できる」営業マンを育てることができるのです。細かいテクニックや商品の説明ではなく、考え方や、身につける方法をまず教える必要があるのです。
営業マンが人海戦術の手段と考えられていた昔と違って、営業マンに求められる資質も高度なものになっています。優秀な営業マンを育てるためには、表面だけの営業研修ではなく、本当の意味で育てる努力が求められるのです。
「なぜそうするのか?」を問いかける
考え方や学び方は、講義で説明しただけでは身につきません。実際の仕事の場面で「なぜそうするのか」を考えさせることで、少しずつ身についていくのです。
たとえば、先輩の商談に同行した帰り道です。「今日はよかったね」で終わらせてしまうのはもったいない。「最初に雑談から入ったのはなぜだと思う?」「価格の話を後に回したのはどうしてだろう?」と問いかけるのです。
新人は自分の頭で理由を考えます。先輩はその答えを聞いて補うことで、行動の裏にある考え方を伝えることができます。すぐに答えを教えないことがポイントです。
振り返る習慣をつける
自分で学べる営業マンは、経験をやりっぱなしにしません。同じ一日を過ごしても、うまくいったこととうまくいかなかったことを整理する人とそうでない人とでは、半年後、一年後に大きな差がつきます。
とはいえ新人のうちは、何を振り返ればよいのかもわからないものです。上司や先輩が型を示してあげる必要があります。今日の商談の目的は何だったか?実際にはどうだったか?次は何を変えるか?この三つを短く書き留めるだけで十分です。上司はそれを読んで一言返せば、新人がどんな筋道で考えたのかを確かめることができます。
教える側にも気をつけるべき点があります。自分の成功体験をそのまま押しつけることです。「自分はこうやって売ってきた」という話は参考にはなりますが、時代も顧客も変わっています。同じやり方が通用するとは限りません。
早く一人前にしたいという焦りから、手順やトークを細かく教え込みすぎるのも考えものです。言われたとおりに動ける新人は頼もしく見えますが、想定外の場面では立ち止まってしまいます。迷ったときに何を基準に考えればよいのか。それさえ伝えておけば、新人は自分で判断できるようになっていきます。3年後に差がつくのは、そこなのです。





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