
欧米人と比較して、日本人の話しは説得力が欠けていると言われます。日本では、起承転結に基づいた「話の流れ」が重視されています。
しかし、この説明型の話し方はビジネスに使うべきではありません。相手の心や思いに深く銘記させる話し方をするために、まず結論を述べ、その後詳しい説明をするべきです。結論を先に述べることによって、相手が何を言おうとしているのかが明確になります。このように相手に十分に理解される話し方は営業の武器となります。論理的な話し方とは、結論を先に述べ、明確に根拠を示す話し方です。すべてのビジネスマンが超多忙な昨今、明確ではっきり理解できる相手でなければ、話を聞いてもらうことすらできません。
結論から話すことは「話を聞く価値のある人物として認知される」ための重要なポイントなのです。
起承転結はなぜ商談で伝わらないのか?
起承転結は、物語や随筆のように、相手が最後まで付き合ってくれることを前提にした構成です。結論が最後に置かれるため、聞き手は話の終わりまで「この人は何を言いたいのか」を探りながら聞くことになります。
商談ではそうはいきません。忙しい顧客に新しいサービスを提案するのに、業界の動向や自社の歴史から話し始めればどうなるでしょうか?相手は途中で「それで、うちにとって何が良いのか」と感じ始めます。肝心の提案にたどり着く前に集中力が切れてしまえば、どれほど良い内容でも伝わりません。話し始めで相手の関心をつかめるかどうかが、その後の商談の行方を左右するのです。
いきなり本題に入ることを失礼だと感じる人もいます。しかし、忙しい相手にとっては、要点が早くわかることが何よりの配慮です。あいさつや感謝の言葉を短く添えてから本題に入れば、礼儀を欠くことにはなりません。
結論から話すための準備
結論を先に述べるには、話す前に自分の結論がはっきりしていなければなりません。ここが最も難しいところです。言いたいことが整理できていないまま話し始めると、前置きが長くなり、結局は起承転結に近い話し方になってしまいます。
商談や報告の前には、次の順で話を組み立てておくべきです。
①結論・・・「一言でいうと何を伝えたいのか」を書き出す
②根拠・・・結論を支える理由を二つか三つ挙げる
③具体例・・・必要に応じて、根拠を裏づける事実を添える
たとえば上司への報告なら「〇〇社の件は、来月の契約に向けて順調に進んでいます。理由は二つあります」と切り出します。最初の一文で相手は状況をつかみ、続く説明を安心して聞くことができます。慣れないうちは、この最初の一文だけでも話す前に決めておくことです。それだけで話し方は大きく変わります。
結論中心の話し方の落とし穴
結論から話すことは、相手の事情を無視して一方的に話すこととは違います。いきなり「この商品を導入すべきです」と切り出しても、相手の課題とかみ合っていなければ反発を招くだけです。結論は、相手が知りたいことへの答えでなければなりません。
根拠の示し方にも注意が必要です。結論を先に聞いた相手は、すぐに「なぜそう言えるのか」と考えます。そこで根拠が曖昧だと、かえって信頼を損ねてしまいます。結論と根拠をセットで準備しておけば、話は短くても説得力を持ちます。
この話し方は、商談の場だけで身につくものではありません。上司への報告や社内の会議でも、常に結論から話す習慣をつけておくべきです。日頃から使っている話し方でなければ、大事な商談で自然に出てくることはないのです。





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