上司と部下の意識や考え方のギャップは永遠のテーマです。どんな優良企業でも、少なからず問題が存在し、当事者にとっては大きな悩みや苦しみの原因となります。部下の立場から見た上司論は、これまで数多く語られて来ましたが、今回は上司の「部下との接し方に関する悩み」にフォーカスをしたいと思います。
最近の傾向を見ると、上司が部下に遠慮し、気を使い、変な距離感が生まれているように感じます。パワーハラスメントへの警告や、部下の離職率が社内で話題になる度に、上司が委縮してしまい「どう接していいかわからない」「何を考えているのかわからないから放っておこう」といった考えに陥ってしまうのです。「厳しさ」はもはや過去の遺物のように扱われる場合さえ存在します。
しかし、本当に部下を育てる経営者やマネジャーは時に厳しく部下を叱咤激励します。強い信念と正しい価値観を持って常に真剣に部下と向き合っているからです。その意味で当社では、「厳しさ」はマネジャーにとって必要不可欠な要素だと考えています。厳しく接するには「正しい行動」と「成果」が求められます。自らを律し、設定した目標を達成していなければ「部下からの信頼」を勝ち得ることはできないからです。
厳しく接するには、部下や部下の行動を把握している必要もあります。厳しさは愛情の表れだからです。十分理解し、把握しているからこそ、部下が言い逃れできない的確な指摘や指示を行うことができます。
更に、自らを律し、感情をコントロールする資質も重要です。厳しさは「怒鳴る事」ではありません。高い目標と、基準を持ちプロフェッショナルとして行動や結果にこだわることです。その意味で、感情をあらわにするのではなく、冷静に的確な視点でアドバイスをすることが重要です。厳しさだけでは部下は動きませんが、厳しさが無い上司も、本当の意味で部下を動かすことはできないのです。
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