
| 欲しいもの | うち必需品 | 売られているもの | |
| 100年前 | 72個 | 16個 | 200個 |
| 現在 | 474個 | 94個 | 32,000個 |
上の表をご覧ください。イギリスの経済紙が伝えた人間の「欲しいもの」に関する調査結果です。
100年前と現在とでは、どのような違いがあるのでしょうか?
まず注目すべきなのは、「欲しいもの」の数でしょう、100年前は72個しかなかったが、現代人は、474個も欲しいものがあるのです。さらに驚くべき事に、「売られているもの」の数は、100年前の200個から、32000個へと、160倍にもなっています。いかにモノが多い時代かということがわかるでしょう。この増加は、必需品の増加というよりも、趣向品の増加と考えられます。 この記事を掲載した、新聞記者は 「人間の欲望がいかに際限なく永久に続くのかを感じる」と述べています。
しかし、「売る側」から考えると、こうした物があまりにも多い時代に、顧客の購買意欲をかきたてる事は、至難の業といえるのかも知れません。 お腹がいっぱいの人に何とか食べてもらおうと考えなければならないからです。 そのためには、企業側に「知恵」と「工夫」が求められるでしょう。 32000個のうち、欲しいと思ってもらえるのは、474個だけだという事実を考えると、企業として「売る」という事をもっと真剣に考えるように動かされるのではないでしょうか?
顧客はいつ「欲しい」と感じるのか
モノがあふれる時代に、顧客は何をきっかけに「欲しい」と感じるのでしょうか?
すでに十分な性能の道具を持っている人に、新しい道具の性能の高さを説明しても、「今のもので困っていない」と言われれば話はそこで終わります。
顧客が動くのは、自分でも気づいていなかった不便や、実現したいと思っていた状態に気づいたときです。お腹がいっぱいの人でも、目の前の料理が「今の自分に必要なもの」だと感じれば手を伸ばします。売る側に求められる「知恵」とは、商品の良さを語る前に、顧客の中にある小さな不満や願いを見つけ出すことなのです。
顧客の話を聞いていると、「実はここが面倒で」「本当はこうしたい」という一言が出てくることがあります。その言葉を聞き流さずに受け止め、提案に結びつけられるかどうか。モノが多い時代の営業力は、そこに表れます。
選ばれる理由をつくる
売られているものが増えるほど、顧客は比べることに疲れていきます。似たような商品が並んでいれば、最後は価格で決めることになります。価格競争に巻き込まれないためには、「なぜこの会社から買うのか」という理由を示さなければなりません。
その理由は、商品そのものの違いだけではありません。顧客の業務をよく理解した提案、導入後の手厚い支援、困ったときにすぐ相談できる担当者の存在。商品の差が小さい時代には、こうした要素がかえって大きな差になります。自社が選ばれている理由を、営業担当者一人ひとりが言葉で説明できるでしょうか?
営業の現場でまずできるのは、顧客の話を聞く時間を増やすことです。商品説明に多くの時間を使う営業ほど、顧客が欲しいものを聞き逃してしまいます。
失注した理由を振り返ることも、現場でできる「工夫」です。なぜ選ばれなかったのかを知れば、次に選ばれるための手がかりが得られます。既存の顧客に「なぜ当社を選んだのか」を尋ねれば、自社では気づいていなかった強みが見つかることもあります。
数多くのモノの中から選ばれるのは、顧客の欲しいものを誰よりも理解しようとする会社です。「売る」ことを真剣に考えるとは、顧客を真剣に知ろうとすることでもあるのです。





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