カーナープロダクトマンスリーコラム

クロージング力とは 営業マンに必要な特質と、テストクロージングの進め方

クロージング力は「押し売り」と混同されることがあります。強引に押し切ることが成果につながる、という見方です。しかし例え一時的に説得できたとしても、納得して満足していなければ「売り込まれた」という思いだけが残ってしまい次のビジネスにつながらなくなってしまうでしょう。

顧客に違和感を感じさせずにクロージングするために「テストクロージング」という技術を用いることができます。テストクロージングとは、契約(購入)すると仮定して試験的に話を進める話法です。仮定してクロージングすることで顧客はリスクを避けることができます。責任と約束が発生しないからです。

一方、営業担当者は契約の障壁となっている点を客観的に分析することができます。顧客が不安に感じていることや決めかねている点を把握すれば具体的な対応策を取ることができるのです。状況を探りながら「テストクロージング」することによって相手が気がつかないうちにクロージングを行うことができるのです。

クロージング力とは何か

クロージング力とは、顧客が納得したうえで契約の意思を固められるように、商談を結論へ導く力です。最後のひと押しの強さのことではありません。

顧客が決められないのには理由があります。価格に見合うのか確信が持てない。社内を説得できるか不安がある。導入後の手間が見えない。こうした点が残ったまま結論を迫れば、顧客は「検討します」と答えて商談を終わらせるでしょう。

テストクロージングはどう進めるのか

テストクロージングは、商談の途中で何度も行います。話が一区切りつくたびに、小さく確かめていくのです。

「仮に導入されるとしたら、時期はいつ頃をお考えですか」「この内容でしたら、社内のご検討は進めやすいでしょうか」。こう尋ねると、顧客は決める前提で考えてみることができます。答えに詰まったところが、まだ解消されていない不安です。

返ってきた不安に、その場で答えを急ぐ必要はありません。何が障壁になっているのかを正確に聞き取り、次の面談までに材料を用意すればよいのです。

クロージングには、時間の要素がある

クロージングで決めるのは、契約するかどうかだけではありません。いつ決めて、いつ始めるのか。時間もまた、顧客と合意すべき大切な要素です。

顧客に「急いでいないので」と言われて、結論を先に延ばす。「来週までに」と言われて、準備が整わないまま進めてしまう。どちらも顧客の言いなりになっているだけで、顧客のためにはなっていません。

始めるのが遅れれば、その間、顧客は課題を抱えたままになります。急ぎすぎれば、顧客の社内の準備が追いつかず、導入しても成果が出にくくなります。営業担当者がすべきなのは、顧客の事業の予定と自社の体制の両方をふまえて、双方にとって最も価値のあるスケジュールを提案することです。

「決算の前に効果を確かめるには、この時期に始める必要があります」。理由のある日程を示されれば、顧客は決める時期を自分の問題として考えるようになります。

クロージングは、ヒアリングの段階で決まる

クロージングがうまくいかない原因は、多くの場合、商談の終盤ではなく前半にあります。

当社の調査レポート「売れる営業と売れない営業の差(300社調査)」でも、売れない営業マンは商品の需要を聞くだけで、顧客がどんな仕事をし、何を求めているのかを聞いていないことを取り上げています。顧客を知らないままでは、提案は商品の説明に終わります。顧客にとってのメリットが示されていない提案に、結論を求めることはできません。

終盤で値引きを切り札にしてしまう営業担当者もいます。しかし、値引きで決まった契約は、次の商談でも値引きを求められます。価格の話になる前に、顧客が何に価値を感じているのかをつかんでおくべきです。

クロージング力を支えているのは、話法の巧みさよりも、顧客をどれだけ知っているかなのです。

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