カーナープロダクトマンスリーコラム

営業論考(4)―戦略と営業強化の融合

84180707□戦略とは

戦略は企業にとって将来を左右する重要な要素です。

市場やトレンドを考慮しながら中長期的に、先んじた計画を立てなければなりません。またその計画は経営層の感性や知識だけではなく、市場に直接関わる営業担当者からの情報も基盤とする必要があります。更に重要なこととして同業他社、いわゆる自社の競合となる企業の動きも考慮に入れた戦略や行動を立案しなければならないのです。膨大な情報から導き出した仮説を組み立てながら、最も効果的な動きを検討し戦略として作りあげるのです。

 

□営業担当者の意識

では、自社の経営戦略に対して、そこで働く社員はどれだけ理解しているのでしょうか。とかく企業の将来を左右する業務についている営業担当者はどれほど自社の戦略を理解して行動しているのでしょうか。

この点に関して30社約600人の営業担当者に調査アンケートを取ったところ次のような驚く結果が出てきました。

 

・自社の戦略を把握しそれに合わせた行動ができている : 5%

・戦略は理解しているが行動は伴っていない : 20%

・経営戦略があるのは知っているが目先の活動に追われている : 65%

・戦略の内容を理解していない : 10%

 

なんと、75%もの営業担当者が自社の戦略に関して理解していないという結果になっているのです。こうした状況や意識が、昨今どの企業でもよく見られるようになってきており、営業担当者の仕事は「自分の予算達成のため・・・」「上司に怒られるから・・・」という低レベルの業務に繋がっているのです。

 

□教育による動機づけ

こうした戦略への無関心さという問題は、なぜ起こり得るのでしょうか。全社員が一丸となって立案された戦略を全うするべく行動に導くために何が必要となってくるのでしょうか。

これは、研修や教育担当者の間でも常に課題に上がる難題の一つとも言えます。年度の初めに、徹底して自社の中期的、長期的な方針や、やるべきことを伝えたとしても、営業担当者は一歩外に出れば自分の売上げのための行動になってしまいます。では、どうすべきでしょうか。

 

まず必要なのは、企業の戦略がなぜ存在するのか?ということを明確に理解しなければなりません。「戦略とは何か?」を理解し、それに沿った行動が重要であることを学ばなければならないのです。次に、その戦略のための行動や計画を身に付けさせる必要があります。これはただ単に指示して「戦略にあるからこうしなさい」というだけでは不十分です。戦略に沿った行動がいかに重要であるかを意識させ、行動に導くかが重要です。上司の立場であるならば部下の数字の達成も気になる点ではありますが、まずそうした戦略に対する理解とそれに見合った行動をする動機づけを与えることで、部下の行動は大きく変化するはずです。

 

秋から、来年度の経営戦略を立て始める企業は少なくありません。マーケティング、営業企画、営業研修担当者は、連携して戦略が企業にとってなぜ重要なものなのかを理解させ、それに合わせた活動ができるよう導くことが重要なのです。戦略は経営層だけの物ではありません。営業担当者を含め全社員が理解し、それに合わせた行動の必要性を意識していく必要があるのです。

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